
「ヒョンデはやばい」という評判を耳にして、実際のところどうなのか気になっていませんか?そもそもどこの国のメーカーなのか、性能の悪さに関する噂は本当なのか、具体的な車一覧や価格はどうなっているのか、といった疑問を持つ方も多いでしょう。
また、評価は海外でどうなのか、世界ランキング何位ですか?という点も知りたいポイントですよね。この記事では、ネット上で囁かれるヒョンデの評判を徹底的に調査し、その実力と現状を客観的なデータに基づいて解説します。
この記事でわかること
- 「ヒョンデ やばい」と言われる具体的な理由
- 日本と海外での評判の大きなギャップ
- 世界第3位メーカーとしての客観的な実力
- 購入前に知っておくべき注意点と将来性
「ヒョンデ やばい」と言われる評判の真相

- ヒョンデはそもそもどこの国のメーカー?
- 過去のエンジン問題がやばいと言われる理由
- 性能の悪さを指摘する声も
- 日本で展開するEVの車一覧
- 補助金込みの戦略的な価格設定
ヒョンデはそもそもどこの国のメーカー?

「ヒョンデ」というブランド名に馴染みがない方も多いかもしれませんが、ヒョンデ(現代自動車)は韓国を代表する自動車メーカーです。日本ではかつて「ヒュンダイ」という名称で展開していましたが、2022年に日本市場へ再参入した際に、より現地の発音に近い「ヒョンデ」へと変更されました。
ヒョンデは単独の企業ではなく、「現代自動車グループ」として世界的に事業を展開しており、同じく韓国の自動車メーカーである「KIA(キア)」もその傘下に収めています。このグループ全体での販売台数は非常に大きく、世界市場でトップクラスのシェアを誇ります。
日本ではまだ街で見かける機会は少ないかもしれませんが、欧米やアジアの多くの国では、日本車と肩を並べるメジャーなブランドとして広く認知されているのです。
豆知識:日本再参入の戦略
2009年に一度乗用車市場から撤退したヒョンデですが、2022年の再参入にあたり、過去の反省を活かした新しい戦略を打ち出しました。それは、販売車種をEV(電気自動車)とFCV(燃料電池車)に限定し、さらにディーラー網を持たずオンライン販売を主軸にするというものです。この先進的なアプローチも、自動車業界で大きな注目を集めています。
過去のエンジン問題がやばいと言われる理由
「ヒョンデ やばい」というネガティブな評判が広まった大きな原因の一つに、過去のエンジンに関する品質問題が挙げられます。特に2010年代、北米市場を中心に「シータ2(Theta2)エンジン」と呼ばれるエンジンで大規模なリコールが発生しました。
この問題は、エンジン内部の部品が早期に摩耗し、走行中にエンジンが停止したり、最悪の場合は車両火災に至る危険性があるという深刻なものでした。当初の対応の遅れもあり、この一件はヒョンデの品質に対する信頼を大きく損ない、「安かろう悪かろう」「性能が悪い」というイメージを植え付けてしまったのです。
注意点:過去の問題であることの認識
この大規模リコールが「やばい」という評判の根源であることは事実です。しかし、重要なのはこれが10年近く前の出来事であるという点です。この問題を教訓に、ヒョンデは品質管理体制を抜本的に見直し、巨額の投資を行いました。現在のヒョンデ車が同様の問題を抱えているわけではなく、むしろ品質は世界トップレベルにまで向上しています。
もちろん、一度失った信頼を回復するのは簡単ではありません。しかし、過去の失敗と現在の実力を切り離して評価することが、今のヒョンデを正しく理解する上で不可欠と言えるでしょう。
性能の悪さを指摘する声も
過去のエンジン問題とは別に、現在のユーザーレビューの中にも「性能の悪さ」を指摘する声が散見されます。ただし、その内容はかつてのような致命的な欠陥を指すものではなく、主にソフトウェアのチューニングや、細かな使い勝手に関するものが中心です。
具体的には、以下のような点が挙げられることがあります。
運転支援システムの挙動
車線維持アシスト機能のハンドル操作への介入がやや唐突に感じられたり、高速道路のカーブで少しふらつくように感じられたりするなど、システムの制御がまだ洗練されていないという意見です。ハードウェアの性能は高いものの、それを制御するソフトウェアの味付けが、国産車に慣れたドライバーにとっては少し違和感があるのかもしれません。
ナビゲーションシステムの精度
「有名な施設名で検索してもヒットしない」「推奨されるルートが遠回りだった」など、ナビゲーションシステムの使い勝手に関する不満の声も見られます。これも日本の高機能なナビに慣れていると、ストレスを感じる部分かもしれません。
これらの指摘は、クルマの基本性能である「走る・曲がる・止まる」が低いというわけではありません。むしろ、ハードウェアの急速な進化に、ソフトウェアや乗り味といった「感性」に関わる部分の熟成が追いついていない、というのが実情に近いでしょう。ヒョンデもこれらの課題は認識しており、ソフトウェアアップデートを通じて継続的な改善を行っています。
日本で展開するEVの車一覧

現在、ヒョンデが日本市場で正規販売している乗用車は、すべてEV(電気自動車)です。個性的で魅力的なラインナップが揃っており、それぞれの特徴は以下の通りです。
車種名 | ボディタイプ | 特徴 | 航続距離(WLTC) |
---|---|---|---|
IONIQ 5 (アイオニック 5) | ミドルサイズSUV | 先進的なデザインと広大な室内空間が魅力。V2L機能で家電も使える。2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤー「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」受賞。 | 567km~618km |
KONA (コナ) | コンパクトSUV | 日本の道路事情にマッチしたサイズ感と、充実した装備が特徴。取り回しが良く、日常使いに最適。 | 456km~625km |
INSTER (インスター) | コンパクトハッチ | 軽自動車とコンパクトカーの中間という絶妙なサイズ感。愛らしいデザインと高い実用性を両立。 | 458km |
このほか、高性能ブランド「N」から登場した「IONIQ 5 N」は、BEVとは思えない圧倒的なドライビングプレジャーを提供し、クルマ好きから高い評価を得ています。
補助金込みの戦略的な価格設定
ヒョンデのEVが注目される理由の一つに、非常に戦略的な価格設定があります。車両本体価格だけでも同クラスの競合車種と比較して競争力がありますが、国や自治体の補助金(CEV補助金など)を活用することで、さらに魅力的な価格で購入することが可能です。
例えば、最もコンパクトな「インスター」の場合を見てみましょう。
INSTER Loungeグレードの価格例

- 車両本体価格:3,575,000円(税込)
- 国のCEV補助金(2024年度):-562,000円
- 実質負担額:3,013,000円~
※上記に加えて、お住まいの自治体によってはさらに補助金が適用される場合があります。
最上級グレードで、シートベンチレーションなどの快適装備も充実しているモデルが、実質300万円前後から購入できるというのは、大きな魅力と言えるでしょう。この優れたコストパフォーマンスが、ヒョンデの評判を語る上で欠かせない要素となっています。
「ヒョンデ やばい」は誤解?世界での評価

- 日本とは違う海外での高い評価
- 世界ランキング何位ですか?実は世界3位
- 安全性に関する客観的な評判
- デザインはすごい?先進技術の評価
- 結論:「ヒョンデ やばい」は日本での人気が理由
日本とは違う海外での高い評価
日本国内ではまだネガティブなイメージが先行しがちなヒョンデですが、海外、特に自動車先進国である欧米では非常に高い評価を獲得しています。その事実は、数々の権威ある賞の受賞歴が何よりも雄弁に物語っています。
その代表格が「ワールド・カー・アワーズ」です。
- IONIQ 5:2022年「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」をはじめ三冠達成
- IONIQ 6:2023年「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」をはじめ三冠達成
2年連続で世界の頂点に輝いたことは、ヒョンデのクルマづくりが世界最高水準にあることの証明です。また、品質調査においてもその評価は揺るぎません。
J.D.パワーの品質調査でもトップクラス
米国の調査会社「J.D.パワー」が発表する自動車耐久品質調査(VDS)では、ヒョンデグループは近年常に上位にランクイン。2023年には、レクサスやトヨタ、BMWといった名だたるブランドを抑えて高い評価を得ており、長期的な信頼性が大きく向上していることが客観的に示されています。
このように、日本での評判と海外での評価には大きなギャップが存在するのが現状です。
世界ランキング何位ですか?実は世界3位

「ヒョンデって、世界的に見るとどれくらいの規模のメーカーなの?」と疑問に思う方もいるでしょう。その答えは、多くの日本人が想像するよりも遥かに大きなものです。
現代自動車グループ(ヒョンデ、KIA、ジェネシスを含む)の2023年の世界販売台数は約730万台。これは、日本のトヨタグループ、ドイツのフォルクスワーゲングループに次ぐ、堂々の世界第3位の実績です。
順位 | 自動車グループ | 2023年 販売台数(約) |
---|---|---|
1位 | トヨタグループ | 1,123万台 |
2位 | フォルクスワーゲングループ | 924万台 |
3位 | 現代自動車グループ | 730万台 |
4位 | ルノー・日産・三菱アライアンス | 640万台 |
日産やホンダはもちろん、かつて世界の自動車産業をリードしたGMやフォードといったアメリカの巨大メーカーよりも多くの車を販売しています。この事実だけでも、ヒョンデが単なる新興メーカーではなく、世界市場を動かすトッププレイヤーの一角であることがお分かりいただけるでしょう。
安全性に関する客観的な評判
クルマを選ぶ上で、デザインや性能と同じくらい重要なのが「安全性」です。ヒョンデはこの点においても、客観的なデータで高い評価を得ています。
その一つが、世界で最も厳しいとされる米国の衝突安全テスト、IIHS(米国道路安全保険協会)による評価です。2024年の評価において、ヒョンデグループは多数の車種で最高評価である「トップ・セーフティ・ピック・プラス(TSP+)」や、それに次ぐ「トップ・セーフティ・ピック(TSP)」を獲得しました。
2024年 IIHS評価での主な受賞車種
- TSP+(最高評価):KONA、IONIQ 6、Genesis GV60 など計6車種
- TSP:IONIQ 5、TUCSON、Genesis G80 など計10車種
(参照:IIHS公式サイト)
TSP+とTSPを合わせた受賞数は、一企業グループとして業界最多を記録しており、ヒョンデがいかに安全性を重視して車両開発を行っているかがわかります。最新の先進運転支援システム(ADAS)を積極的に標準装備している点も、安全性能への高い意識の表れです。
デザインはすごい?先進技術の評価
近年のヒョンデが世界的に「すごい」と評価されるようになった大きな理由が、独創的なデザインと、積極的に採用される先進技術です。
IONIQ 5を象徴する「パラメトリックピクセル」は、デジタル黎明期のドット絵をモチーフにした四角いLEDランプのデザインで、レトロと未来感を融合させた独自のアイデンティティを確立しました。これにより、「一目でヒョンデのEVだとわかる」強い個性を放っています。
また、技術面ではEV専用プラットフォーム「E-GMP」の存在が欠かせません。
先進技術①:E-GMPプラットフォーム
エンジンがないEVの特性を最大限に活かし、床を完全にフラットに設計。ホイールベース(前輪と後輪の間の距離)を長く取ることで、クラスを超えた広大な室内空間と、低重心による優れた走行安定性を両立させています。
先進技術②:V2L (Vehicle to Load)
もう一つの特筆すべき機能がV2Lです。これは、車載バッテリーの電力を外部の電化製品に供給できる仕組みで、車が「動く巨大な電源」に変わります。キャンプなどのアウトドア活動はもちろん、災害時の非常用電源としても非常に役立つ、実用性の高い先進技術です。
こうしたデザインと技術の融合が、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤーなどの受賞につながり、ヒョンデのブランドイメージを「安価なクルマ」から「技術とデザインで選ばれる革新的なブランド」へと大きく変貌させたのです。
結論:「ヒョンデ やばい」は日本での人気が理由

これまで見てきたように、ヒョンデは世界第3位の販売台数を誇り、品質、安全性、デザイン、技術のすべてにおいて世界トップレベルの評価を受けている自動車メーカーです。
では、なぜ日本では「ヒョンデ やばい」というネガティブなキーワードで検索されるのでしょうか。その結論は、「品質がやばい(悪い)」のではなく、「日本での人気や知名度がまだ低く、実態がよく知られていないから」と言えるでしょう。
過去の品質問題のイメージが未だに払拭しきれていないことや、一度市場から撤退した経緯、そしてオンライン販売が中心でアフターサービス網に不安を感じるユーザーがいることも、日本での普及を妨げている要因です。
その結果、「世界的には高く評価されているのに、日本ではあまり人気がない」という状況が生まれています。これが、一部のユーザーにとっては「何かやばい理由があるのでは?」という疑念につながり、また一方で、そのギャップを知る人にとっては「コスパがやばい(良い意味)」という評価になっているのです。
クルマとしての総合力は非常に高いレベルにあります。あとは、日本の消費者がブランドイメージやサービス体制に対する不安を乗り越えられるかどうかが、今後の普及の鍵を握っていると言えそうです。
- ヒョンデは韓国を代表する自動車メーカー
- 現代自動車グループとしてKIAも傘下に収める
- 「ヒョンデ やばい」の評判は過去のエンジン問題に起因する部分が大きい
- 現在の品質は世界トップレベルに向上している
- 性能面ではソフトウェアの熟成度に改善の余地を指摘する声もある
- 日本ではEVとFCVのみをオンラインで販売
- 主力車種はIONIQ 5、KONA、INSTERなど
- 補助金活用による優れたコストパフォーマンスが魅力
- 海外ではワールド・カー・オブ・ザ・イヤーを2年連続受賞するなど評価は極めて高い
- グループ全体の販売台数はトヨタ、VWに次ぐ世界第3位
- 米国IIHSの安全性評価で業界最多の受賞数を記録
- 独創的なデザインとV2Lなどの先進技術も高く評価されている
- 日本での人気や知名度がまだ低いことが「やばい」と検索される一因
- ブランドイメージやサービス網への不安が日本での普及の課題
- 客観的に見ればヒョンデは非常に競争力の高いメーカーである