セドリックとグロリアの違いを徹底解説｜特徴や歴史の全貌

セドリックとグロリアの違いを知りたいと検索する方は、日産が誇る高級セダンの特徴や歴史、そしてそれぞれの魅力について関心をお持ちでしょう。セドリックとグロリアは、兄弟車として長い間市場で支持されてきたモデルですが、その違いは一見するとわかりにくいかもしれません。

本記事では、両車の特徴や歴史、さらには後継車となるフーガとの関係まで詳しく解説します。それぞれの個性を比較し、セドリックとグロリアの魅力を改めてご紹介します。どちらを選ぶべきか迷っている方にも役立つ情報をお届けします。

セドリックとグロリアの違いを徹底解説

• セドリックとグロリア、どちらが高級なのか？
• セドリックとグロリアの関係はどうなっている？
• セドリックという名前の由来とその背景

セドリックとグロリア、どちらが高級なのか？

セドリックとグロリアは、日産が製造・販売していた高級セダンであり、いずれも多くの人々に親しまれてきましたが、「どちらが高級なのか？」と問われると、答えは一概に言えません。それは、両車が兄弟車として基本的に同じプラットフォームと装備を共有しており、販売チャネルやグレード構成の違いが主な差異となっているためです。

一方で、イメージや販売ターゲットにわずかな違いがありました。セドリックは、トヨタのクラウンに対抗する高級セダンとして、落ち着いたエレガンスを重視していました。一方、グロリアは、よりスポーティで個性的な方向性を打ち出し、やや若い層や「チョイ悪」なイメージを持つユーザーに支持されていました。

例えば、同じグレードで比較すると、基本的な装備や性能に大きな差はありませんでしたが、エンブレムや細部のデザインが異なることで、それぞれの個性を強調していました。また、販売されるディーラーの系列が異なり、セドリックは日産系、グロリアは元プリンス系の販売店で取り扱われたため、顧客層や販売戦略にも違いが生じていました。

結局のところ、どちらが高級かはユーザーの価値観や用途による部分が大きく、「よりエレガントな印象を求めるならセドリック」「個性的でスポーティなスタイルが好みならグロリア」といった選び方が一般的でした。

セドリックとグロリアの関係はどうなっている？

セドリックとグロリアは、長い歴史を通じて兄弟車として密接な関係を持ってきました。この関係は、日産自動車が1966年にプリンス自動車工業を吸収合併したことに遡ります。もともと、セドリックは日産が製造する高級セダン、グロリアはプリンス自動車が製造する高級セダンでしたが、合併後は両者の車両開発が統合され、基本的には同じ車両をベースにした「バッジエンジニアリング車」として販売されるようになりました。

具体的には、セドリックとグロリアは基本構造やエンジン、装備の大部分を共有しながら、エンブレムやグリルのデザイン、細部の意匠を変えることで区別されていました。また、販売店の系列も分けられており、セドリックは日産系ディーラー（ブルーステージ）、グロリアは元プリンス系ディーラー（レッドステージ）で取り扱われていました。

このような関係性により、両車はユーザー層やイメージでの差別化が図られていました。例えば、セドリックは高級感を前面に押し出したモデルで、落ち着いた雰囲気を重視していました。一方、グロリアはより若々しく、スポーティな方向性を持っており、ターゲットユーザーのニーズに応える形で進化してきました。

さらに、1988年にはセドリック／グロリアの上位モデルとして「シーマ」が登場し、「セドリックシーマ」「グロリアシーマ」という名称で販売されるなど、両車の関係はさらに深まりました。ただし、1999年に販売系列が統一されると、セドリックとグロリアの差別化は徐々に薄れ、やがて両車の後継モデルとして「フーガ」が登場し、両車の歴史に幕を下ろすこととなりました。

このように、セドリックとグロリアの関係は単なる兄弟車の域を超え、日産の高級セダン市場を支える重要な存在として長い間共存してきたと言えます。

セドリックという名前の由来とその背景

セドリックという名前は、英国の作家フランシス・ホジソン・バーネットの小説『小公子』（Little Lord Fauntleroy）に登場する主人公の名前に由来します。この作品の主人公であるセドリックは、純粋で心優しく、正義感にあふれた少年として描かれており、その高潔なイメージが日産の車両名に採用されました。日産は「すべての人に愛され、親しまれる車」という願いを込め、この名前を冠しました。

名前を提案したのは、当時の日産社長であった川又克二氏です。川又氏は、セドリックという名前が持つ「強く、正しく、美しい」というイメージが、日本の高級セダン市場におけるブランドコンセプトに適していると考えました。その結果、セドリックは高級感や信頼性を象徴する車名として広く認知されるようになりました。

また、セドリックという名前には英国的な文化や品格が背景としてあります。名前自体は古英語の「Cerdic」に由来するとされ、6世紀にイングランドを統治したサクソン人の王の名前でもあります。この名前は英国文化や歴史に深く根付いており、気品や伝統を感じさせるものとして英語圏で広く親しまれてきました。こうした英国的な要素は、日産がセドリックに込めた「日本製でありながら欧米的な高級感を持つ車」というブランド戦略と一致していました。

さらに、当時の日本市場では、欧米風の名前が高級感を連想させる効果がありました。そのため、セドリックという名前を採用することで、マーケティング面でも成功を収めました。車名が持つ物語性と文化的背景が高級車としての価値を一層引き立て、多くのユーザーに受け入れられる結果となりました。

このように、セドリックという名前は単なる名称以上の意味を持っています。英国文学や歴史に基づいた由来を持ちながら、日本市場に適合したマーケティング戦略の一環として採用されたこの名前は、日産の高級車の象徴としての地位を確立しました。その結果、セドリックは名前の持つ品格とともに、日本の高級セダン市場を長くリードする存在となりました。

セドリックとグロリアの違いと後継車について

• セドリックとグロリアの後継モデルはどれ？
• グロリアの生産が終了したのはいつ？
• セドリックの生産終了時期を確認
• セドリックの最上級モデルは何か？
• セドリックの燃費性能はどの程度？
• なぜタクシーにはセドリックが採用されるのか？

セドリックとグロリアの後継モデルはどれ？

セドリックとグロリアの後継モデルとして、日産の「フーガ」が挙げられます。2004年に登場したフーガは、セドリックとグロリアという日産の高級セダン2モデルを統合する形で開発されました。市場のトレンドが変化し、セダンの需要が縮小する中、日産は効率的なラインナップを構築するためにこの統合を決断しました。

セドリックとグロリアは、それぞれ異なる販売チャネルを通じて提供され、長年日本の高級セダン市場をリードしてきました。セドリックはエレガントで落ち着いた高級感を、グロリアはスポーティで洗練されたスタイルを特徴としていました。この2つのモデルは日本の自動車市場に大きな影響を与えましたが、2000年代に入るとセダン市場の縮小と日産の経営再建の必要性から、フーガという新モデルにその役割が引き継がれることとなりました。

フーガは、セドリックとグロリアが持っていた特性を統合し、さらに進化させたモデルです。デザイン面では、モダンでダイナミックなスタイリングが採用され、高級感とスポーティさを両立しています。また、エンジンや装備の面でも大幅な改良が行われており、V型6気筒エンジンやハイブリッド仕様など、時代のニーズに応じたラインアップが用意されました。特に、静粛性の高い室内空間や上質なインテリア、優れた走行性能はフーガの特徴として高い評価を受けています。

ただし、セドリックとグロリアがそれぞれ持つ個性を統合したフーガに対して、既存のファンからは賛否両論がありました。セドリックの伝統的な高級感やクラシカルな魅力、グロリアのスポーティで洗練された印象を愛していたユーザーにとっては、フーガのモダンな方向性が新しすぎると感じられることもありました。

それでも、フーガは日本国内外で一定の成功を収め、日産の高級セダンのフラッグシップモデルとしての地位を確立しました。フーガは単なるセドリックとグロリアの後継車ではなく、日産の次世代高級セダンとして新たな挑戦を象徴する存在と言えます。このモデルは、高級感や快適性に加え、環境性能や走行性能の両立を実現し、日産の「技術の日産」というブランドイメージを体現する車として高い評価を受けています。

セドリックとグロリアの時代に築かれた伝統はフーガに受け継がれつつ、新たな市場のニーズに応えるモデルへと進化しました。これにより、フーガはセドリックとグロリアの精神を引き継ぎながらも、未来志向の高級セダンとしてその存在感を確立しています。

グロリアの生産が終了したのはいつ？

グロリアの生産が終了したのは2004年です。この年は、セダン市場の需要が減少し、日産が経営再建の一環としてモデルの整理統合を進めていた時期にあたります。グロリアは日産の高級セダンとして長らく親しまれてきましたが、市場の変化やコスト削減の必要性から、その役割を後継モデルに託す形で生産を終えることとなりました。

グロリアは1959年にプリンス自動車工業が発売した初代モデルからスタートし、1966年に日産がプリンスを吸収合併して以降は、セドリックの兄弟車として生産が続けられました。特にスポーティで若々しいイメージを持ち、セドリックと並び高級セダン市場の中心的な存在として広く支持されていました。

生産終了の背景には、消費者の嗜好がセダンからミニバンやSUVに移行していったことが挙げられます。この動向は、セダンの需要が従来ほど高くないことを示しており、高級セダン市場の縮小を反映していました。さらに、日産はその当時、経営再建を進める中で効率的なラインナップの構築を目指しており、グロリアは後継モデルであるフーガへと統合される形で幕を閉じました。

グロリアの生産終了は一つの時代の終わりを象徴する出来事でしたが、同時に新しいモデルにバトンを渡し、日産の高級セダンの伝統を引き継ぐステップでもありました。

セドリックの生産終了時期を確認

セドリックの生産が終了したのは2014年です。ただし、これは営業車仕様を含む全モデルの生産終了時期を指します。一般向け乗用車としてのセドリックの生産は2004年に終了しており、その後はタクシーや官公庁車両向けに限定的に製造が続けられていました。

セドリックは、1960年に初代モデルが登場して以来、トヨタのクラウンと並ぶ日本の高級セダンの代名詞として親しまれてきました。その歴史の中で、数々の技術革新を取り入れつつ、多くのユーザーに支持されました。しかしながら、2000年代に入るとセダン市場の縮小とSUVやミニバンの人気が高まり、セドリックも乗用車としての役割を終えることになりました。

その後、タクシーや営業車としての需要に応える形で生産は継続されていましたが、自動車市場全体の変化や規制の強化、燃費性能の向上が求められる中で、最終的に生産を終了する決断がなされました。

セドリックの生産終了は、伝統ある車名が自動車市場の変化に対応するために役割を終えた瞬間でもあります。その後継として、日産はフーガを開発し、現代のニーズに対応する高級車としてセダン市場を支えています。このように、セドリックの生産終了は、日産にとって新しい時代への転換点だったと言えるでしょう。

セドリックの最上級モデルは何か？

セドリックの最上級モデルは、「セドリック・ブロアムVIP」が代表的です。このモデルは、高級感と快適性を極限まで追求した仕様として、当時のセダン市場でもトップクラスの装備を備えていました。特に、インテリアの豪華さや静粛性、乗り心地が高く評価され、多くのビジネスマンや富裕層に愛されました。

ブロアムVIPには、本革シートや本木目パネルといった高級感あふれるインテリアが採用されており、乗る人すべてにプレミアムな体験を提供しました。また、快適装備としては、前席および後席に独立したエアコン調整機能や、静かな車内空間を実現する高性能な防音材が使用されていました。このような仕様は、当時の高級車市場の中でもセドリックの地位を確固たるものにしていました。

さらに、ブロアムVIPはエンジンにも優れた選択肢を提供していました。3.0L V6エンジン（VG30DEまたはVQ30DE）は、滑らかで力強い走行性能を発揮し、快適な長距離ドライブが可能でした。このエンジンと先進的な電子制御技術の組み合わせにより、セダンらしい上質な走りを提供しました。

一方、最上級モデルであるがゆえに価格は高めで、維持費や燃料費もそれ相応にかかる点は考慮が必要でした。それでも、セドリック・ブロアムVIPは、高級車に求められる全てを兼ね備えたモデルとして、多くの人々の憧れの的でした。

セドリックの燃費性能はどの程度？

セドリックの燃費性能は、搭載されているエンジンやモデルの種類によって異なりますが、一般的にはリッターあたり7～10km程度とされています。セドリックは高級セダンとして快適性や走行性能を重視した設計がされているため、燃費性能は現代のエコカーに比べて控えめです。

例えば、3.0L V6エンジンを搭載したモデルでは、10モードまたは10・15モードの燃費測定で約8.5km/L前後と記録されています。この数値は当時の高級セダンの平均的な水準であり、走行性能と快適性を優先した結果です。一方、エンジンサイズが小さいモデルやディーゼルエンジンを搭載した仕様では、もう少し燃費が良くなる場合もありました。

特に長距離ドライブや高速道路を中心とした運転では、エンジン効率が高まり、リッター10km程度まで向上することがあります。ただし、都市部での渋滞や頻繁な停止と発進を伴う走行では、燃費がリッター7kmを下回ることも珍しくありません。このような燃費性能は、豪華な装備や大排気量エンジンを搭載している高級車特有の特性といえます。

現代の基準では燃費が劣るように感じられるかもしれませんが、セドリックは燃費以上に重視されるポイントが多数あります。静粛性や快適な乗り心地、力強い加速性能を提供する車であるため、燃費性能を補うだけの価値があると言えるでしょう。

なぜタクシーにはセドリックが採用されるのか？

セドリックがタクシーとして長く採用されていた理由は、その耐久性、快適性、整備性の良さにあります。セドリックは高級セダンとしての設計がされているため、長時間運転しても疲れにくいシートや快適な乗り心地を提供するサスペンションを備えています。これらの特徴は、タクシーとして使用される車にとって非常に重要です。

まず、セドリックの堅牢な構造は、長距離を頻繁に走行するタクシー業務において大きなメリットをもたらします。エンジンやトランスミッションをはじめとする主要部品の耐久性が高いため、過酷な使用環境でも安定したパフォーマンスを維持します。また、後輪駆動（FR）方式の採用により、車両重量のバランスが良く、高速道路やカーブの多い路面でも安定した走行性能を発揮します。

次に、広々とした室内空間と快適なシートが、乗客とドライバーの双方にとって魅力的です。後部座席のスペースが十分に確保されており、乗客はゆったりと座ることができます。また、運転席は長時間の業務でも疲労を軽減するように設計されており、ドライバーにとっても使いやすい車種です。

さらに、セドリックはメンテナンス性の高さでも評価されています。部品の供給が安定しており、整備がしやすい設計となっているため、タクシー業務での稼働率を高く維持することが可能です。これにより、運行中のトラブルを最小限に抑えられる点が、多くのタクシー会社から信頼される理由の一つです。

最後に、セドリックは信頼性と安心感を象徴する車として長年親しまれてきました。こうしたイメージはタクシー業務にも直結し、乗客からの評価を高める効果もありました。これらの理由から、セドリックはタクシー車両として長く採用され、日本全国で活躍する存在となったのです。

セドリックとグロリアの違いについての総括

以下にポイントを箇条書きしておきます。

• セドリックとグロリアは日産の高級セダンで兄弟車にあたる
• セドリックはトヨタクラウンの対抗モデルとして開発された
• グロリアはスポーティなイメージで若い層に支持された
• 両車は同じプラットフォームや装備を共有していた
• エンブレムやデザインの細部で個性を差別化していた
• セドリックは日産系ディーラー、グロリアは元プリンス系ディーラーで販売された
• 1966年の日産とプリンス自動車の合併後に関係が強化された
• 両車はバッジエンジニアリング車として販売され続けた
• 「セドリックシーマ」「グロリアシーマ」という上位モデルも存在した
• 両車の後継モデルとして2004年にフーガが登場した
• セドリックは落ち着いたエレガントな高級感が特徴だった
• グロリアは個性的でアグレッシブなデザインが特徴だった
• セドリックという名前は英国小説『小公子』の主人公から由来している
• グロリアは1959年にプリンス自動車が最初に発売したモデルが原点
• セダン市場縮小と経営再建の影響で両車は生産終了となった